リモートワークの促進やデジタルデバイスの普及など、仕事も趣味も座ってできるものが多くなっています。その結果、日々の運動不足が問題視されるようになっています。本記事では、運動習慣のある人とない人(運動不足)の割合、理由、改善方法について詳しく解説をしていきます。
運動不足の定義
まず始めに、運動不足の定義についておさらいしましょう。
世界保健機関(WHO)の過去の調査では、「1週間あたり150分以上の軽い運動(歩行)、または75分以上の運動(ジョギング以上)ができていない人」を運動不足、運動習慣がないと定義しています。
本記事(本調査)でも、世界保健機関(WHO)と同様の条件を運動不足として、取り扱っています。
運動習慣のある人とない人の割合
本記事では490人の大学生を対象に、運動に関するアンケートを行いました。
「1週間あたり150分以上の軽い運動(歩行)、または75分以上の運動(ジョギング以上)ができていますか?」という質問に対して、およそ42%が「できていない」と回答しています。
世界保健機関(WHO)が全年齢を対象に行なった調査(イギリス)では、36%が運動不足とされており、若者の方が運動不足が顕著に現れていることがわかります。
運動習慣がない(運動不足)の理由
具体的に、運動習慣がない理由は何なのでしょうか。運動ができていない方(n=209)に理由を聞きました。本章では、運動ができていない理由についてアンケート結果をまとめ、1つ1つ考察していきます。
運動が嫌い
運動不足の大きな原因の1つに、運動に対する苦手意識があります。「運動は好きですか?」(n=490)と質問したところ、運動が嫌いと回答した大学生が全体の14%でした。
たしかに、自分が「できない、苦手、楽しくない」と感じていることに、わざわざ時間を使うことは難しいです。
時間がない
「時間がない」ということは、運動習慣がないことの最も大きな理由になっています。
運動に対する苦手意識がなく、できるならやりたいと考える人も多いです。しかし、実際は生活の中で運動に割ける時間が少なく、優先度は低くなってしまいます。
とくに、大学生の場合、勉強にアルバイトにサークル、友達と遊ぶなど日々やるべきことが多いです。平日は学校に通い、休みを利用してアルバイトをしたり友人とでかけたりするとなると、可処分時間は少なくなってしまいます。
※ アルバイトのお役立ち情報をまとめているこちらのサイトも参考にしてください。
必要性を感じない
また、年齢が若く運動に対する必要性を感じられていないことも、大学生の運動不足の原因です。
厚生労働省の統計によると、運動習慣がある人の割合は、男性は30歳代、女性は20歳代が最低で、年齢とともに上昇しています。その理由は健康意識が年齢とともに増加していくためです。
体がまだまだ自由に動き、年齢による衰えを実感できていないから、運動への意識がそれほど高まらないのでしょう。
一緒に運動する友達がいない
何かを一緒にやる友達がいるということは、行動の原動力になります。運動習慣がない人の中には、一緒に運動ができる仲間がいないことが、運動をしない原因になっている場合もあります。
施設や場所がない
運動の中には、特別な施設や広い場所などを必要とする運動もあります。
生活圏の中に、そのような施設がないことで、運動量が低下してしまっているケースも考えられるでしょう。
スポーツはもちろん、ハードルが低いランニングやジョギングであったとしても、車通りが少ない、歩道が整備されている、街頭が多いなどの、環境的な要因が少なからず影響します。
なんとなくやる気が出ない
健康に対する意識があっても、運動が好きであってもなんとなく行動に移せないという人も多くいるでしょう。
始めてしまえば楽しめるのに、始めるための一歩が億劫で踏み出せないということは運動に限らず、よくあることです。
運動不足を自覚・問題視しているのか?
ここまで、若者の運動習慣が低下している現状について解説しました。運動不足が問題視されている状況に対して、若者たち本人も状況を自覚しています。当サイトが行ったアンケートで「現在の自分の運動日数についてどう思いますか?」(n=490)と質問したところ、現在の自分の運動量が少ないと感じている方が過半数を超えています。
また、「運動量が少ない」と回答した方に対して、「今後運動を増やしていくつもりはありますか?」(n=251)と質問したところ、今後運動する機会を増やしていきたいと考える大学生が4割弱、確認できました。
現在、運動習慣がない学生たちも、自分の運動不足を改善したいという意識はあるのです。
運動不足のリスク
- 生活習慣病
- 肩こりや腰痛
- 生活習慣の乱れ
- メンタルの不調
運動をしないことによるリスクは上記の通りです。
とくに生活習慣病は、運動不足による大きなリスクとなるでしょう。運動が不足している状態では消費エネルギーが少ないことから、「脂肪」がつきやすくなってしまい、その影響で高血圧や糖尿病、脂質異常症などの病気が起きてきます。
また、筋力の低下、筋肉量の減少、関節の可動域の減少などにより、骨折や関節痛、コリなどのリスクも増えてきます。
このような現象が現れると、さらに運動をしにくい体になってしまう悪循環が生まれます。運動不足の改善を意識したのであれば、ズルズルと現状を維持するのではなく、思い切って行動に移すことが大切です。
運動不足を改善する方法
本章では、運動不足を改善するにあたって、意識しておくべきポイントについて1つ1つ解説します。
自分にあった運動方法を探す
まず、大切なことは自分に合った運動の方法を探すことです。いきなりハードルを上げすぎてキツイ運動を始めても長続きしません。
自分自身の興味関心が持てる運動であること、また身体的に負担が大きすぎない運動であることの2つを意識して、運動習慣を組み込むようにしましょう。
参考として、普段運動をしている人に、どのような運動をしているのか(n=381)質問した回答を以下にまとめています。
自宅でできる運動方法を探す
あまりにも本格的な運動を始めようとすると、施設を利用するのに時間やお金がかかってしまいます。「時間がないから」「お金がないから」と、運動したいという意志とは別の要因で運動習慣が崩れてしまうかもしれません。
まずは、自宅で気軽にできる運動から心がけてみるといいでしょう。また、学校や大学で無料で利用できる施設などがあれば積極的に活用してみるのもいいでしょう。
「普段運動を行っている場所を教えてください。 」(n=381)と質問したところ、実際に、運動習慣があると回答した学生の多くは「学校」や「自宅」で運動を行っています。
運動のキッカケを作る
運動できる環境に身を置くことも大切です。普段から運動をする習慣がある人ほど、大学の部活やサークル、同窓会などのコミュニティに入っており、運動をするキッカケを作っています。「現在、運動系の部活、サークル・同好会、学外組織に加入していますか?」(n=490)と質問しました。
また、このようなコミュニティに入ると、運動を一緒にする友達も増えます。一緒に活動できる友達がいることは、運動習慣を身につけるうえで非常に大切です。運動に対して苦手意識がある人であれば、友達と一緒に運動することに楽しさを見出したり、自分に甘い人であれば、友達から誘われることがちょっとした強制力にもなります。
運動の計画を作る・記録を取る
運動習慣を身につけるうえで、運動を行う計画や記録を作ることが重要です。
明治安田生活福祉研究所が行った調査で、運動した日・運動量を記録している人は運動習慣を継続しやすい傾向にあることがわかっています。
なんとなく、思い立った日に運動をするのではなく、無理のない計画を立てて日々のルーティンに組み込むと運動習慣が自然と身につくでしょう。
また、運動に関する数値を記録し、自分の運動を見える化することも大切です。記録する数値は「減った体重」や「走れた距離」、「筋トレの回数」何でも構いません。自分の考える目標に向かって日々近づいていることが実感できるようにしてください。
習慣は一度身につくと、やらないことが気持ち悪くなることもあります。まずは、始めること。そして短い時間、少ない回数でも、習慣化するまで続けることが重要になります。
自分へのご褒美を用意する
自分へのご褒美を用意することが運動を継続するモチベーションになります。運動を心から楽しめ、運動すること自体がリフレッシュになるという人にはあまり必要ではありませんが、運動に苦手意識があり「辛い」と感じてしまう人には効果的です。
健康を意識して、運動を取り入れることはもちろん大切ですが、ストレスが溜まってしまっては意味がありません。自分のメンタルやご機嫌を自分でコントロールすることで、無理のない運動習慣を身に付けてください。
以上、大学生の運動習慣についてに割合、理由、改善方法などを解説しました。ガクセイ協賛は、大学生の意識調査などを全国800大学の学生にアンケートを行なっております。商品やサービスのアンケート、就活やバイトアンケートなど、大学生へのアンケート調査をご希望の方はご相談ください。