マッチングアプリとは相手のプロフィールを確認し、アプリ上で連絡を取ることでパートナーを探すことができるサービスです。従来はウェブサービスの1つでしたが、スマートフォンが普及した現代でアプリとしてリリースされたことで、より一般的なサービスとして認識されるようになっています。
本記事では大学生のマッチングアプリの利用実態や、サービスを提供する企業のシェア率について解説をします。
マッチングアプリの利用率
まず、大学生のマッチングアプリの利用率はどの程度なのでしょうか。
当サイトではリアルな数値を出すために属性に偏りのない大学生443名を対象にアンケート調査を行いました。「マッチングアプリを利用したことはありますか?」という質問の回答は「現在利用している」が6%、「過去に利用していたが、現在は利用していない」が24%、「利用したことはないが、今後登録したい」が10%、「利用したことはないが、今後も登録しようと思わない」が60%となりました。
大学生でも30%がマッチングアプリを利用したことがあり、さらに今後使いたいと考えている人を含むと40%となります。
マッチングサービスといえば結婚を意識したり出会いの場が少なくなる「社会人」が利用するイメージが強かったのですが、サービスの認知が進んだことや、サービスの健全化、スマートフォンアプリでのリリースが進んだことをきっかけに大学生利用者も多くなっています。また、近年ではコロナウイルス感染拡大の影響で、大学の授業がオンラインになったりサークル活動が縮小したり集まる機会が減少したため、大学生でも出会いの場が減っていることも要因の一つと言えそうです。
画像引用:MMD研究所
実際にMMD研究所が3年間に渡って、マッチングアプリの利用経験を調べた調査では、全体でも年々利用割合が増加していることがわかります。
以前は出会いの場として合コンが開催されていましたが、友人知人伝手なので自分に合う相手と出会うには、何度か合コンに参加する必要があります。飲み会の場が好きだったり、みんなでわいわいと盛り上がることが好きな人には向いていますが、お酒の場が得意ではなかったり、社交が苦手な人には不向きでもありました。
合コンでは好み相手がいるいないに関わらず時間とお金がかかるため、現代では非効率であると考える人も少なくないようです。周囲に知られずに効率的な恋人探しができることも、マッチングアプリの利用者が増えている要因となっているでしょう。
大学生の交際や恋愛に対する意識
「現在までの交際経験は?」(n=443)という質問をしたところ、「過去にも交際したことがあり、現在も交際相手がいる」が32%、「過去に交際したことはなかったが、現在は交際相手がいる」が8%、「過去に交際したことはあるが、現在は交際相手がいない」が33%、「過去に交際したことはなく、現在も交際相手がいない」が27%となりました。
過去に交際したことはなく、現在も交際相手がいない方を除く、73%が交際経験があるということになります。
また、現在交際していないと答えた60%の方を対象に「交際相手が欲しいと思いますか?」(n=265)という質問をしたところ、「はい」が71%、「いいえ」が29%となりました。
現在交際相手がいない60%の中でも、恋人を求めている人が70%おり、恋人が必要であると考えている人は全体の80%ほど(交際中と答えた40%+非交際中の60%の内の70%)です。
昨今、若者の恋愛離れや意識の変化が指摘されるようになっていますが、実際の調査では恋人がいる、もしくは欲しいと考えている人が大半を占める結果となりました。多様化する社会の中で、適齢期がきたら恋愛して結婚するという従来の「当たり前」の意識は薄くなっているものの、興味や本能として恋愛に対する意識は依然として強いといえます。
交際相手が不要であると考える理由
もちろん、2割ほどの大学生は現時点では恋人は必要ないと考えています。そのような方に理由を聞くために「交際相手が必要ないと感じる理由は? 」という質問をしてみました。
回答をまとめると以下のような結果となりました。
- 今の生活に満足している
- 一人の方が楽しい(気が楽)
- 他にやるべきことがあり忙しい
- 時間とお金は自分のために使いたい
- 恋人がいることで、面倒や不安が起きることを懸念している
- そもそも恋人がいるメリットを感じない
- 「推し」がいるから恋人がいなくても幸せ
「時間やお金がない」といったオーソドックスな理由から、「1人の方が楽しい」や「自分のために時間とお金を使いたい」、「”推し”がいるから恋人がいなくても幸せ」といった現代の若者ならではの理由が集まっています。インターネットやSNSにより自分の価値観に合うコミュニティにアクセスしやすくなっていることで、自分時間を満たしていることが窺えます。
大学生のマッチングアプリ利用実態
ここまで、「大学生の交際意識が高いこと」や「マッチングアプリの利用率が高いこと」を解説していきました。
以下では、具体的に大学生のマッチングアプリ利用実態について解説します。
マッチングアプリを利用する目的
「マッチングアプリの利用をはじめた・はじめたいきっかけは?(複数回答可) 」(n=179)という質問に対する回答には「恋人探しのため」(66%)という意見が一番多く集まりました。
一部「SNS感覚でなんとなく」といった回答も見られましたが、基本的には異性と出会うという高い目的意識を持って利用している方が大半となります。
マッチングアプリの成功率
「マッチングアプリで恋人はできましたか?」(n=134)という質問に対して、26%が「はい」と回答しました。およそ、4人に1人が恋人を作ることに成功しています。
実際に多くの成功体験が生まれていることから、マッチングアプリは大学生の間で、単なる出会いを求める場として広まっているのでなく、恋人を作るための現実的な方法として定着しているのではないでしょうか。10〜20年前の類似サービスでは、サクラと言われる成りすましが多数存在しており、マッチング成功率も低く悪評が多かった印象が残っていましたが、運営元が健全な管理をすることで実際のカップリングに成功しているようです。
マッチングアプリを利用した際のトラブル
「マッチングアプリで嫌な思いをしたことはありますか?」(n=134)という質問に対しては、54%が「ない」と回答しています。大学生のマッチングアプリ利用者のうち大半はストレスなくサービスを利用できています。
しかし「経歴詐称や体型詐称にあった」、「相手が行き過ぎた写真加工をしていた」、「恋人の有無の詐称にあった」、「遊び目的で対応が悪かった」など一部ユーザーからは不満の声が集まっています。
より、マッチングサービスを普及するためには若年層でも安心安全に利用できる環境を整える必要があるでしょう。そのためには、サービス提供者が利用方法を提示してユーザーのリテラシーを向上させたり(ナーチャリング)や、遊び目的や人を傷つける発言をするユーザーを管理することなどが必要となるでしょう。
また、マッチングアプリの使い方として、現在利用している方に「恋人ができた後はマッチングアプリは削除しますか? 」と質問したところ、「削除する」が81%、「削除しない」が6%、「その時考える」が13%と回答しています。
ほとんどのユーザーは恋人を作るツールとして利用しているため、誤解を産まないためにも削除する一方で、恋人を作る目的以外で利用を続けるユーザーも一定数いることがわかりました。マッチングサービスにも特色があるため、今後は目的に合わせて明確に棲み分けができてくるでしょう。
若年層が利用したことがあるマッチングアプリ
次に大学生のマッチングアプリユーザーの間で人気が高いサービス(シェア率)を解説します。
「利用したことのあるマッチングアプリは?(複数回答可)」(n=134)という質問に対して多くの回答を集めたのは「Pairs(ペアーズ)」47%、「タップル(tapple)」43%、「with(ウィズ)」35%でした。
画像引用:MMD研究所
MMD研究所が20歳~49歳の独身の男女1554人に行った調査では、「Pairs(ペアーズ)」が57%、「タップル(tapple)」が29%、「Omiai(おみあい)」が29%、「with(ウィズ)」が29%、「tinder(ティンダー)」が23%となっています。
「Pairs(ペアーズ)」がシェアのトップにいることは変わりありませんが、そのほかのサービスの利用率に若干の差があります。Omiaiなど、結婚相手を探すイメージが強いアプリは、大学生の利用が減っている印象です。
画像引用:マリッジアップ
マッチングアプリのカオスマップは上記の引用画像の通りとなっており、縦軸に年齢層があり横軸に真剣度があります。大学生の利用率から推測すると同年代が利用しているアプリに人気が集まっていること、また「遊び目的」や「結婚相手探し」に振り切っているアプリには恋人を探すという目的からはズレるため、あまり人気がないことがわかります。
マッチングアプリで恋人を探すとき何を重視する?
最後に、マッチングアプリの利用者は何を基準に恋人探しをしているのかを解説します。
「マッチングアプリで相手を探す・選ぶ時に一番重要視することは?」(n=134)という質問に対して、「写真からわかる外見 」(35%)や「人柄・性格」(31%)が主な回答となりました。次いで「価値観」や「年齢」などを重視すると回答した方が多くいました。
女性が重要視するポイント
女性の場合(n=88)、男性に比べて外見よりも人柄や性格といった内面を重視している傾向があります。また、多少「年収」や「学歴」なども意識する傾向があり、将来的に一緒にいることも考慮される方が多いようです。
男性が重要視するポイント
男性の場合(n=46)、女性に比べてやや「写真からわかる外見 」を重視する傾向が強いようです。また、価値観の割合も女性よりも高くなっており、「自分を変化させていく」というよりは元々価値観の合う人に出会いたいと考える方が多いようです。
以上、大学生のマッチングアプリ利用率や成功率、サービスの実態などを解説しました。ガクセイ協賛は、大学生の意識調査などを全国800大学の学生にアンケートを行なっております。商品やサービスのアンケート、就活やバイトアンケートなど、大学生へのアンケート調査をご希望の方はご相談ください。